# 砂礫の星明かりが描く、シャトー・ディッサン2018の優雅な軌跡

> メドック格付け第三級のシャトー・ディッサン2018は、マルゴー村の深い砂礫土壌から生まれる端正な赤ワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンの気品とメルロの豊かさを備え、華やかな果実、花、杉のニュアンスが長い余韻へと続きます。

## Metadata
- URL: https://winenes.com/reviews/-chateau-dissan-2018
- This file: https://winenes.com/reviews/-chateau-dissan-2018/md
- Published: 2026-09-27T04:02:45.745+00:00
- Updated: 2026-09-27T04:02:45.823611+00:00

## Wine
- Name: シャトー・ディッサン - Château d'Issan 2018
- Producer page: https://winenes.com/producers/producer-1783360958884
- Price (JPY): 25500〜34500

## Tasting Note
- Score: 96/100

## Article

## 砂礫の星明かりが描く、シャトー・ディッサン2018の優雅な軌跡

### シャトー・ディッサンの歩み──中世からマルゴーに続く品格

シャトー・ディッサンは、ボルドー左岸、マルゴー村を代表する歴史的なエステートです。創業年を単一の年に定めることは難しいものの、その起源は12世紀にさかのぼるとされます。1152年、アリエノール・ダキテーヌと後のイングランド王アンリ2世の婚礼でこの地のワインが供された、という伝承もよく知られています。現在の城館は17世紀に整えられたもので、アイヴィーに覆われた優美な外観はマルゴーの象徴的風景の一つです。

1855年のメドック格付けでは第3級、Troisième Cru Classéに列せられました。第二次大戦後の1945年にクルーズ家が取得し、長く品質向上を主導。2013年以降はクルーズ家とジャッキー・ロレンツェッティ家の共同体制となり、畑と醸造設備への継続的な投資を進めています。格式だけに寄りかからず、区画の個性を精密に表すことを重視する姿勢が、近年のディッサンへの評価を押し上げています。

### Château d'Issan 2018を形作るカベルネと砂礫の畑

Château d'Issan 2018は、カベルネ・ソーヴィニヨン65％、メルロ35％のブレンドです。主軸となる畑はシャトーを囲むマルゴーAOCの砂礫質台地にあり、ジロンド河口の左岸に特有の深い礫層が、水はけと根の伸長を促します。礫は日中の熱を蓄え、夜間にゆるやかに放出するため、冷涼な年でもブドウの成熟を助けます。一方で粘土を含む区画のメルロは、ワインに中盤の厚みとしなやかさをもたらします。

収穫後は区画ごとに選果し、温度管理されたコンクリートおよびステンレスタンクで醸造されます。果実の鮮度、タンニンの粒度、畑ごとの輪郭を見極めながら抽出を行い、その後フレンチオーク樽でおよそ16〜18カ月熟成。新樽の比率は約50％が目安です。樽香を前面に出すよりも、カベルネのスミレや黒スグリ、砂礫由来の端正なミネラル感を包み込む設計にあります。暑く乾燥した2018年はボルドーで成熟度に恵まれた年であり、評論家・愛好家の間でも、豊かさとマルゴーらしい精度を両立した出来栄えとして高く評価されています。

### グラスの中の物語

グラスでは、縁にまだ紫の反射を残す深いルビーからガーネットの色調を見せます。濃度は十分ながら不透明一辺倒ではなく、グラスの内側をゆっくり流れる粘性にも、熟した年の充実感が表れます。第一香ではカシス、ブラックベリー、熟したチェリーが明瞭で、鉛筆の芯、杉、乾いた砂礫を思わせる左岸らしい香りが寄り添います。

空気に触れるにつれて、スミレ、バラの花弁、甘草、葉巻、ローストしたコーヒー豆、ほのかなバニラへと表情が開きます。アタックはなめらかで、黒系果実の密度を感じさせつつも、過度に重くはありません。中盤ではメルロの丸みを細やかなカベルネのタンニンが支え、酸が全体を垂直に伸ばします。余韻には黒鉛、ビターチョコレート、ドライハーブ、礫質土壌を思わせる塩味が長く残ります。若いうちはデキャンタージュで香りをほどきつつ、熟成により森の下草や革、トリュフの複雑さを待つ楽しみも大きい一本です。市場価格は約30,000円が目安で、格付けシャトーとしての来歴と熟成能力を踏まえると、比較検討されやすい価格帯でしょう。

### 食卓を彩る料理

このワインには、肉の香ばしさ、適度な脂、ハーブや土のニュアンスを備えた料理がよく合います。第一に薦めたいのは、仔羊背肉のロースト、ローズマリーとニンニクの香りです。仔羊の甘い脂にカベルネのタンニンが寄り添い、ハーブがワインのスパイス感を引き立てます。

鴨胸肉を皮目からじっくり焼き、赤ワインとカシス、エシャロットで作るソースを添える一皿も好相性です。果実の響き合いを楽しみながら、鴨の野性味をディッサンの杉や葉巻の香りが端正にまとめます。牛頬肉の赤ワイン煮込みにセップ茸を加えた料理なら、熟成から現れる土っぽさや黒鉛のニュアンスと自然につながります。さらに、熟成したコンテやミモレット、トリュフを散らしたきのこのリゾットも、ワインの余韻を生かせる組み合わせです。供出温度は16〜18度を目安にすると、豊かな香りと緊張感のある骨格が整います。

### マルゴー村とジロンド河口が育むMargaux AOC

シャトー・ディッサンは、ボルドー市街地の北西、ジロンド河口に近いメドック地区のマルゴー村に位置します。Margaux AOCはマルゴー、カントナック、スーサン、アルサック、ラバルドの5コミューンにまたがりますが、ディッサンの中核区画はシャトー周辺のマルゴー村にあります。ここは大西洋からの風とジロンド河口の温度調整作用を受け、暑さを和らげながらブドウの酸を保ちやすい環境です。

マルゴーのTerroirを特徴づけるのは、ガロンヌ由来の砂礫が積み重なる緩やかな高まりです。地表の小石の下に砂、礫、場所によって粘土が重なり、カベルネ・ソーヴィニヨンは深く根を張ります。サン・ジュリアンよりも華やかで、ポイヤックよりも繊細と形容されることの多いMargaux AOCの個性は、この排水性の高い土壌と穏やかな微気候に支えられています。Château d'Issan 2018は、凝縮したヴィンテージの力強さの中に、この土地固有の花のような優雅さを見いだせるワインです。

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_本レビューは公開されている専門家評価・市場情報を AI が集約した推定値であり、執筆者による実飲に基づくものではありません。_
