# アンデスの星明かりが刻む、2016年アドリアンナ・ヴィンヤードの深紅

> アルゼンチンを代表する造り手、ボデガ・カテナ・サパタ。その象徴的な高標高畑アドリアンナ・ヴィンヤードから生まれる2016年赤は、冷涼なアンデスの緊張感、石灰質土壌由来の端正な輪郭、深い果実味を兼ね備えた一本です。

## Metadata
- URL: https://winenes.com/reviews/bodega-catena-zapata-catena-zapata-adrianna-vineyard-2016
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- Published: 2026-10-18T04:02:19.71+00:00
- Updated: 2026-10-18T04:02:19.737996+00:00

## Wine
- Name: Bodega Catena Zapata - Catena Zapata Adrianna Vineyard 2016
- Producer page: https://winenes.com/producers/bodega-catena-zapata
- Price (JPY): 12750〜17250

## Tasting Note
- Score: 88/100

## Article

## アンデスの星明かりが刻む、2016年アドリアンナ・ヴィンヤードの深紅

### ボデガ・カテナ・サパタが切り拓いた高地の可能性

ボデガ・カテナ・サパタの起点は、イタリア・マルケ州から移住したニコラ・カテナが1902年にメンドーサでワイナリーを創業したことにあります。20世紀半ば、アルゼンチンでは収量を重んじるワイン造りが主流でしたが、3代目のニコラス・カテナ・サパタは1960年代から標高の高い畑に可能性を見いだしました。とりわけ1963年に植樹したルハン・デ・クージョのアグレロ地区の畑は、マルベックの品質志向を示す重要な一歩とされています。

1990年代には娘のラウラ・カテナが加わり、ウコ・ヴァレーの区画ごとのTerroirを科学的に調べる方針を強化しました。アドリアンナ・ヴィンヤードは、1992年に取得・開墾された同社の研究と品質追求の象徴です。高標高のマルベックを世界の銘醸赤と同じ議論の舞台へ押し上げた生産者として、カテナ・サパタはアルゼンチンワイン界の名門に位置づけられています。

### Catena Zapata Adrianna Vineyardに宿る区画の個性

Catena Zapata Adrianna Vineyard 2016は、トゥプンガトのグアルタジャリにあるアドリアンナ・ヴィンヤードのマルベックを主役とする赤ワインです。ただし「Adrianna Vineyard」という表記だけでは、Fortuna Terrae、Mundus Bacillus Terrae、Riverなど、畑内のどの単一区画を指すかまで特定できない流通表記もあります。このため、区画名を伴わないボトルについては、個別キュヴェの醸造仕様を一律に断定しない姿勢が重要です。

同畑のマルベックは、小さなロットごとに収穫・醸造されるのが基本です。冷却管理されたステンレスタンクや小型発酵槽を用い、長すぎない抽出によって果実味と土壌由来の繊細さを保ちます。その後、フレンチオーク樽で熟成させ、樽香を前面に出すよりも、標高と石灰質土壌がもたらす酸、タンニン、塩味のようなニュアンスを整える造りが志向されています。2016年はウコ・ヴァレーでバランスの良さが評価される年の一つで、力強さ一辺倒ではない端正な表現が期待されます。市場価格の目安は約15,000円ですが、区画名の有無、輸入時期、保管状態によって幅があります。

### グラスの中でほどける紫の果実と石灰の余韻

外観は、中心に黒みを帯びた深いルビーから紫がかったガーネット。若さを残す鮮明なエッジを見せ、グラスの内側をゆっくり伝う粘性には、凝縮感とアルコールの充実がうかがえます。第一香ではカシス、ブラックベリー、熟したプラム、スミレが核となり、続いて黒鉛、砕いた石、乾いたハーブ、カカオ、ほのかなバニラが重なります。

空気に触れるにつれて、ブルーベリーのコンポート、リコリス、杉、土っぽいニュアンスが現れ、単なる濃厚なマルベックには収まらない複雑さを示します。口に含んだアタックは豊かな黒系果実を伴いながらも過度に重くなく、鮮やかな酸が味わいを引き締めます。中盤では細かながら密度のあるタンニンと石灰質土壌を思わせるミネラル感が骨格を形成し、余韻には黒果実、スパイス、ほろ苦いチョコレート、塩味を帯びた石の印象が長く続きます。若いうちはデキャンタージュで表情が開きやすく、適切な熟成を経れば香りにさらに複雑な陰影が加わるとされています。

### 食卓を彩る火入れと旨味の一皿

緻密なタンニンと高地由来の酸を持つこの赤には、脂肪分、焼き目、香ばしい旨味を備えた肉料理がよく合います。第一に勧めたいのは、炭火で表面を香ばしく焼き、ローズマリーと岩塩で仕上げる国産牛サーロインのビステッカです。肉の脂を酸が切り、焦げの香りと黒系果実の風味が響き合います。

次に、赤ワインとフォン・ド・ヴォーでじっくり煮込む仔羊すね肉のブレゼも好相性です。ゼラチン質の豊かなソースがタンニンをなめらかに見せ、ハーブの香りがワインのスミレやドライハーブの気配を引き出します。鴨胸肉を皮目からローストし、黒胡椒とカシスのソースを添える一皿もよいでしょう。より家庭的には、牛すじとポルチーニのラグーを合わせた手打ちパッパルデッレ、あるいは熟成コンテを添えたマッシュルームのグラタンも、果実味と樽由来のスパイス感を受け止めます。

### トゥプンガト、グアルタジャリのアドリアンナ・ヴィンヤード

アドリアンナ・ヴィンヤードは、メンドーサ州ウコ・ヴァレー北部、トゥプンガト県グアルタジャリに位置します。アンデス山脈の麓、標高約1,450メートルに広がる畑で、日中には十分な日照を得ながら、夜間は気温が大きく下がります。この大きな日較差が、マルベックに熟度だけでなく、色調、香り、酸の保持をもたらします。

畑はアンデスから運ばれた沖積土壌の上にあり、石灰質の層、丸石、砂、粘土が複雑に交錯します。畑内には、深い土壌を特徴とするFortuna Terrae、石灰岩の多いMundus Bacillus Terrae、河床に由来する礫質土壌を持つRiverなど、性格の異なる区画が存在します。乾燥した砂漠性気候のため病害のリスクが比較的低く、アンデスの雪解け水による灌漑を精密に管理できることも、この地のブドウ栽培を支えています。グアルタジャリは現在、アルゼンチンで最も注目される高標高産地の一つであり、アドリアンナはそのTerroirを語る際に欠かせないCruです。

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_本レビューは公開されている専門家評価・市場情報を AI が集約した推定値であり、執筆者による実飲に基づくものではありません。_
