# 三つの礫の丘に夕映えが宿る、シャトー・フィジャック2017の静謐

> シャトー・フィジャック2017は、サンテミリオンの常識を超えるカベルネの存在感と、冷涼感のある端正な骨格が魅力です。三つの古い砂利質丘陵から生まれる、赤系果実、杉、黒鉛を思わせる複雑さと長い余韻を紐解きます。

## Metadata
- URL: https://winenes.com/reviews/chateau-figeac-chateau-figeac-2017
- This file: https://winenes.com/reviews/chateau-figeac-chateau-figeac-2017/md
- Published: 2026-10-28T09:02:45.209+00:00
- Updated: 2026-10-28T09:02:45.240047+00:00

## Wine
- Name: Château Figeac - Château Figeac 2017
- Region: サン・テミリオン・グラン・クリュ (https://winenes.com/regions/saint-emilion-grand-cru)
- Producer page: https://winenes.com/producers/chateau-figeac
- Price (JPY): 39950〜54050

## Tasting Note
- Score: 96/100

## Article

## 三つの礫の丘に夕映えが宿る、シャトー・フィジャック2017の静謐

### シャトー・フィジャックの歩み

シャトー・フィジャックは、ボルドー右岸のサンテミリオンでも最も個性の明確な名門の一つです。その土地の名は古代ローマ期にまで遡るとされ、現シャトーの基盤は19世紀に整えられました。1892年、ティエンポン家からアンリ・マンンクールが所有地を取得したことが、今日のフィジャックを語るうえでの大きな転機です。以後マンンクール家は、砂利質テロワールに適したカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランを重視し、右岸では例外的ともいえるブレンド哲学を育ててきました。

1955年のサンテミリオン格付けではPremier Grand Cru Classé Bに列し、2022年の改定でPremier Grand Cru Classé Aへ昇格しました。故ティエリー・マンンクールが「フィジャックらしさ」を守りながら国際的評価を確立した功績は大きく、現在はフレデリック・フィエイユが総支配人を務めます。収量を追うよりも区画の差を精密に捉え、エレガンス、フレッシュさ、長期熟成力を両立させることが、このシャトーの一貫した哲学です。

### シャトー・フィジャック2017を形づくるカベルネと砂利

シャトー・フィジャック2017は、メルロ70％、カベルネ・フラン21％、カベルネ・ソーヴィニヨン9％で構成されます。メルロがふくよかな果実味を担う一方、2種のカベルネが香りの伸び、タンニンの輪郭、清涼な余韻をもたらします。メルロが圧倒的多数を占めがちなサンテミリオンにあって、カベルネを重要な柱とする配合はフィジャックの署名です。

畑は約40ヘクタール。サンテミリオン市街地の北西、ポムロルおよびシュヴァル・ブランに近い境界域にあり、三つの古い砂利質の丘陵にまたがります。ギュンツ期に由来する深い砂利と砂、粘土の下層土は水はけに優れ、カベルネの根を深く導きます。2017年は4月の霜害がボルドー各地を襲った年ですが、排水性の良い高所の砂利質区画を持つフィジャックは相対的に影響を抑え、均整の取れた果実を得たとされています。区画ごとに収穫・醸造し、木製および温度管理可能な発酵槽を使い分け、フレンチオークの新樽で約15～18カ月熟成。樽の風味を誇示するのでなく、畑の線の細さと緊張感を磨き上げるスタイルです。

### グラスの中の物語

外観は、縁に紫が残る深いルビーからガーネット。2017年らしい透明感を備えながら、グラスの内側をゆっくり伝う粘性に、果実の充実と若々しい密度が表れます。第一香ではカシス、ブラックチェリー、赤スグリ、すみれが端正に立ち、ほどなくして杉、葉巻の箱、鉛筆の芯、湿った砂利、ほのかなバニラが重なります。カベルネ由来の黒鉛を思わせるニュアンスは、フィジャックを見分ける重要な指標です。

アタックはしなやかで、熟したプラムやチェリーの果実味が滑らかに広がります。中盤では酸が味わいの背骨をつくり、細かなタンニンがカシス、紅茶、土、スパイスの層を引き締めます。アルコールの力で押し切るタイプではなく、明快な輪郭と涼やかな質感が持ち味です。余韻にはミネラル、シダー、ビターチョコレートが長く残り、時間とともに森の下草やトリュフを思わせる成熟香も期待できます。評論家・愛好家の間では、2017年のフィジャックは豪奢さよりも精度とフィネスが際立つ、熟成に値する成功作として評価される傾向があります。すでに楽しめる段階に入っていますが、適切なセラーで2030年代半ば以降までの発展も見込めるでしょう。

### 食卓を彩る料理

このワインには、カベルネの香り高さときめ細かなタンニンに寄り添う、旨味を重ねた肉料理が似合います。第一に薦めたいのは、仔羊背肉のロースト、ローズマリーとにんにくの香り、赤ワインのジュを添えた一皿です。羊肉の甘い脂とハーブが、フィジャックの赤黒い果実、杉、スパイスの香りを引き立てます。

鴨胸肉を皮目からじっくりローストし、黒イチジクとポルト酒のソースで仕上げる料理も好相性です。果実の甘酸っぱさが2017年の酸を生かし、鴨の鉄分を含む風味が黒鉛的なミネラル感と響き合います。国産牛なら、赤身の和牛ランプを炭火焼きにし、セップ茸のソテーとジュ・ド・ヴォーを合わせるとよいでしょう。さらに、蝦夷鹿のロティに根セロリのピュレ、黒トリュフを添える組み合わせは、熟成で増す土や下草のニュアンスまで受け止めます。供出は16～18度を目安とし、若いうちは1～2時間のデキャンタージュで香りを開かせるのが有効です。

### サンテミリオンAOC、西端のフィジャック台地

サンテミリオンAOCは、ドルドーニュ県リブルヌの東側に広がる銘醸地ですが、石灰岩のコートと粘土質の斜面だけで語ることはできません。シャトー・フィジャックは、中世の町サンテミリオンから北西へ向かう平坦な台地に位置し、サンテミリオンとポムロルの境をなす「グラーヴ・ド・フィジャック」と呼ばれる砂利質地帯を代表します。隣接・近接するシャトー・シュヴァル・ブラン、シャトー・ラ・コンセイヤントなどとも地質的な連続性を共有するエリアです。

石灰岩台地が冷たさと張りを、粘土がメルロの厚みを与えるのに対し、フィジャックの深い砂利は日中の熱を蓄え、夜間には穏やかに放出します。水はけの良さは湿潤な年に健全な成熟を助け、地下の粘土は乾燥時の水分供給を支えます。海洋性気候の影響を受けるボルドーにおいて、この地形と土壌の組み合わせが、右岸でありながらメドックを思わせるカベルネの気品を生むのです。市場価格は流通状況により変動しますが、2017年は国内でおおむね4万7,000円前後が一つの目安です。

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_本レビューは公開されている専門家評価・市場情報を AI が集約した推定値であり、執筆者による実飲に基づくものではありません。_
