# キンメリジャンの白い石が月明かりにほどく、ジョゼフ・ドルーアン2018シャブリ

> ジョゼフ・ドルーアンのシャブリ2018は、ブルゴーニュの大手メゾンが手がける、石灰質土壌由来の清涼感を軸とした1本です。温暖な年の果実味に、柑橘、白い花、濡れた石を思わせるニュアンスが重なります。シャブリ村を中心とするキンメリジャンの個性と、名門の端正な醸造を読み解きます。

## Metadata
- URL: https://winenes.com/reviews/joseph-drouhin-chablis-2018
- This file: https://winenes.com/reviews/joseph-drouhin-chablis-2018/md
- Published: 2026-09-24T04:02:48.609+00:00
- Updated: 2026-09-24T04:02:48.646784+00:00

## Wine
- Name: Joseph Drouhin - Chablis 2018
- Region: シャブリ (https://winenes.com/regions/chablis-aoc)
- Producer page: https://winenes.com/producers/joseph-drouhin
- Price (JPY): 13600〜18400

## Tasting Note
- Score: 88/100

## Article

## キンメリジャンの白い石が月明かりにほどく、ジョゼフ・ドルーアン2018シャブリ

### Joseph Drouhinの歩み――ボーヌからブルゴーニュ全域へ

メゾン・ジョゼフ・ドルーアンは、1880年にジョゼフ・ドルーアンがボーヌで創業したブルゴーニュのネゴシアン・エレヴールです。ブドウやワインを買い付け、自社のセラーで熟成・瓶詰めを行う事業から出発しましたが、20世紀に入り畑の取得を進め、現在はコート・ドール、シャブリ、コート・シャロネーズ、ボージョレまでを視野に入れる、ブルゴーニュを代表する家族経営の名門として知られます。

1918年には創業者の子ロベール・ドルーアンが家業を継承し、品質重視の基盤を築きました。とりわけ1937年に取得したボーヌの銘醸畑クロ・デ・ムーシュは、同メゾンを象徴する存在です。自社畑のワインと、長期的な関係を結ぶ栽培家のブドウをともに尊重すること、そして産地ごとのTerroirを過度な醸造で覆い隠さないことが、ドルーアンの一貫した哲学です。シャブリにおいても、豊かな果実味だけで完結させず、石灰質土壌に由来する緊張感を表現する姿勢が貫かれています。

### Joseph Drouhin Chablis 2018――シャルドネと端正な醸造

このJoseph Drouhin Chablis 2018は、AOC Chablisのシャルドネ100％による村名格の白ワインです。特定の単一畑名を冠するキュヴェではなく、シャブリ村周辺で収穫された複数区画のブドウを選び、地域のスタイルを描くことを主眼としています。畑は概して、太古の海洋生物の化石を含むキンメリジャン期の石灰質泥灰土を基盤とします。この土壌は、シャブリらしい塩味、チョーク、火打石を連想させる表情に結び付くとされます。

ドルーアンでは、ブドウの鮮度と産地の輪郭を保つため、温度管理されたステンレスタンクを中心に発酵させ、同様にステンレスタンク主体で熟成させる方針です。新樽の香りで厚みを加えるのではなく、シャルドネが持つレモンや白桃の果実、自然な酸、土壌由来のミネラル感を明瞭に示す造りです。2018年はブルゴーニュで温暖かつ乾燥した生育期となり、収量にも比較的恵まれた年でした。シャブリでは熟した果実の丸みを備えながら、良好な酸を保ったワインが多い年と評価されています。推定約16,000円という市場価格は、一般的な村名シャブリとしては販売経路や熟成状態を確認したい水準です。

### グラスの中の物語

外観は、若々しい緑の反射を残した淡いレモンイエロー。粘性は軽快から中程度で、濃密さよりも清潔感が先に立ちます。第一香ではレモン、ライム、青リンゴ、白い花が穏やかに現れ、グラスの中で空気に触れると、白桃、洋ナシ、かすかな蜂蜜、砕いた貝殻や濡れた石を思わせる香りへと広がります。樽香が前面に出ないため、香りの焦点はあくまで果実と土壌の印象に置かれます。

アタックはドライで引き締まり、2018年らしい熟した柑橘果実のふくらみが口中を滑らかに満たします。中盤ではシャルドネの丸みと石灰質らしい塩気が均衡し、酸は鋭利すぎず、骨格を穏やかに支えます。余韻にはグレープフルーツの皮、レモンの果肉、チョークを思わせるほろ苦さが残り、次の一口を促します。熟成を経た現在は、初期の硬質さよりも果実の親しみやすさが表れやすい段階と考えられます。8〜10℃ほどで供し、温度が少し上がるにつれて香りの変化を楽しむのがよいでしょう。

### 食卓を彩る潮の香り

最も自然な組み合わせは、レモンを添えた牡蠣の殻焼きです。牡蠣のヨード香とクリーミーな身に、ワインの塩味と柑橘の酸が呼応します。帆立貝のソテーを焦がしバターとカリフラワーのピュレで仕上げる一皿も好相性で、2018年の柔らかな果実味がバターのコクを受け止め、後口を軽く整えます。

白身魚なら、真鯛のポワレにアサリと白ワインのソースを合わせる調理が適しています。皮目の香ばしさ、貝の旨味、ソースの塩気を、シャブリのミネラル感がつなぎます。また、鶏むね肉の低温調理に春野菜とレモンのヴィネグレットを添えた料理、あるいは山羊乳チーズのサラダもおすすめです。強い燻香や甘いソースは抑え、素材の海味や酸味を生かすことで、このワインの繊細な輪郭が際立ちます。

### シャブリ村とセラン川が刻むAOC Chablisの地形

シャブリはブルゴーニュ北部、ヨンヌ県のシャブリ村を中心に広がるAOCです。ボーヌやニュイ・サン・ジョルジュを擁するコート・ドールより北に位置し、冷涼な大陸性気候の影響を受けます。春の霜害が大きな課題となる地域であり、畑では防霜ファンや散水による対策が行われます。セラン川がつくる谷と斜面は日照や排水に差を生み、同じシャブリでも区画ごとに表情が変わります。

グラン・クリュはシャブリ村北側、セラン川右岸の南西向き斜面に連なるブーグロ、レ・クロ、グルヌイユ、ヴァルミュール、ヴォーデジール、ブランショ、プリューズの7区画です。プルミエ・クリュにはモンテ・ド・トネール、フルショーム、ヴァイヨン、モンマンなどがあり、村名AOCの畑はシャブリのほかフィエ、ベーヌ、シャブリ近郊のコミューンにも広がります。Joseph Drouhin Chablis 2018はこうした格付け畑を特定するワインではありませんが、この地域を形づくるキンメリジャンの地層と冷涼な気候が、ボトルの背後にある重要な原点です。

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_本レビューは公開されている専門家評価・市場情報を AI が集約した推定値であり、執筆者による実飲に基づくものではありません。_
