# ロワールの白い石灰岩に眠る蜜、ヴーヴレイ2017の静かな輝き

> ロワールを代表する白ワイン産地、ヴーヴレイの伝統を伝えるマルク・ブレディフ。2017年はシュナン・ブランの張りある酸と、熟成によって現れる蜜、白い花、蝋の複雑さが魅力です。石灰岩の洞窟で育まれた、食中酒としても熟成酒としても奥行き深い一本です。

## Metadata
- URL: https://winenes.com/reviews/marc-bredif-vouvray-2017
- This file: https://winenes.com/reviews/marc-bredif-vouvray-2017/md
- Published: 2026-09-28T00:02:47.705+00:00
- Updated: 2026-09-28T00:02:47.728037+00:00

## Wine
- Name: Marc Bredif - Vouvray 2017
- Producer page: https://winenes.com/producers/marc-bredif-2
- Price (JPY): 10200〜13800

## Tasting Note
- Score: 88/100

## Article

## ロワールの白い石灰岩に眠る蜜、ヴーヴレイ2017の静かな輝き

### マルク・ブレディフの歩み――1893年から続くヴーヴレイの記憶

マルク・ブレディフは、ロワール地方トゥーレーヌのヴーヴレイで1893年に創業した、同地を代表する歴史的メゾンです。拠点を置くロシュコルボンは、トゥールの東、ロワール川北岸に連なる石灰岩の崖と洞窟セラーで知られる村です。メゾンは長年にわたり、シュナン・ブランが持つ高い酸度、土壌を映す透明感、そして長期熟成能力を表現してきました。

1980年にはロワールの名門ネゴシアンであるバロン・パトリック・ド・ラドゥセットの傘下に入り、伝統的な地下カーヴでの熟成と、温度管理を含む近代的な醸造管理を両立させています。辛口から甘口、泡まで幅広いヴーヴレイを手がけるため、単一の味わいに収まらないアペラシオンの多彩さを伝える生産者として位置づけられます。とりわけ、長く保管されたバックヴィンテージを市場へ送り出すことで知られ、熟成したヴーヴレイの魅力を愛好家に示してきました。

### ヴーヴレイ2017に宿るシュナン・ブランと石灰質テロワール

「Vouvray 2017」は、AOCヴーヴレイで認められる唯一の主要品種、シュナン・ブラン100％による白ワインです。区画はロワール川とその支流ブレンヌ川周辺に散在し、粘土を含むトゥフォーと呼ばれる白亜質石灰岩、火打石を含む土壌が骨格と緊張感を与えます。年によっては複数の畑の個性を調和させることで、メゾンらしい端正なスタイルを目指します。

ヴーヴレイは残糖度の幅が大きく、辛口、半辛口、甘口、発泡性まで存在します。本銘柄は流通ロットによって表記や残糖の印象に差があり得ますが、熟した果実味を酸が支えるスタイルとして理解するとよいでしょう。一般にマルク・ブレディフは、果実の純度を保つために温度管理した発酵を重視し、キュヴェに応じてステンレスタンクと木樽を使い分けます。樽香を前面に押し出すよりも、シュナン・ブランと瓶熟成が生む蜜蝋やミネラルの表情を生かす方針とされます。

2017年のロワールは春の霜害による収量面の厳しさが語られる年ですが、健全な果実を得た生産者の白には、引き締まった酸と熟度のバランスが見られると評価されています。約12,000円という市場価格は、一般的な現行のヴーヴレイよりも、熟成ヴィンテージとしての希少性を反映した水準です。

### グラスの中の物語

外観は、若いシュナン・ブランの淡いレモン色から一歩進んだ、輝きのある麦わら色から淡い金色。グラスの内側をゆっくり流れる液体には適度な粘性があり、熟成による厚みを予感させます。第一香では青リンゴ、洋梨、レモンピール、白い花が中心で、冷涼感のある火打石や濡れた石を思わせるニュアンスも感じられます。

空気に触れるにつれて、アカシアの蜂蜜、カリン、黄桃、蜜蝋、カモミール、アーモンドへと香りが広がります。アタックはなめらかで、果実の甘やかな印象が先行しても、ほどなくシュナン・ブラン特有の伸びやかな酸が輪郭を引き締めます。中盤には熟した梨や蜜の風味と、石灰質由来の塩味を思わせるミネラル感が重なり、余韻には柑橘の皮、白いスパイス、ほのかな蝋の複雑さが残ります。よく冷やしすぎず、10〜12℃ほどから供すると香りが開きやすく、大ぶりの白ワイングラスも適しています。

### 食卓を彩る料理

酸と熟成感を併せ持つヴーヴレイ2017には、脂質や旨味を酸で整えられる料理がよく合います。第一の候補は、バターでソテーした帆立貝にカリフラワーのピュレを添え、焦がしバターとレモンで仕上げる一皿です。帆立の甘みとソースの香ばしさに、ワインの蜜やアーモンドのニュアンスが自然に寄り添います。

二皿目には、鶏もも肉のクリーム煮、または鶏のローストに茸とエストラゴンのソースを合わせるのがおすすめです。きのこの土っぽい旨味とクリームのコクを、柑橘を思わせる酸が軽やかにまとめます。三皿目は、白身魚のポワレに白ワインと浅蜊のジュを使ったソースを添えた料理です。さらに、軽く炙った穴子の白焼きに山椒塩を振る和食、コンテや熟成した山羊乳チーズも好相性です。甘辛い照り焼きより、塩味、乳脂肪、出汁の旨味を軸にした調理が、このワインの繊細な余韻を生かします。

### ロシュコルボンとヴーヴレイAOC、ロワール川北岸の白亜の丘

ヴーヴレイAOCは1936年に制定され、トゥールの東側、ロワール川北岸のヴーヴレイ、ロシュコルボン、ヴェルヌー・シュル・ブレンヌ、シャンセ、ノワゼ、ルニーなどのコミューンにまたがります。川の緩和作用を受ける温和な海洋性気候を基調としながら、内陸的な気温差もあり、シュナン・ブランが酸を保ったままゆっくり成熟しやすい環境です。

畑は川を見下ろす斜面や、支流ブレンヌ川沿いの起伏に広がります。トゥフォー石灰岩主体の場所では直線的な酸と緊張感、粘土が多い区画ではふくらみと熟成の深み、火打石を含む土壌ではスモーキーなミネラル感が現れやすいとされます。石灰岩を掘り抜いた洞窟はカーヴとして利用され、年間を通じて安定した温度と湿度が、ヴーヴレイのゆるやかな熟成を支えます。マルク・ブレディフ2017は、この土地の白い岩肌、川霧、そして時間が形づくる奥行きを味わうための一本です。

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_本レビューは公開されている専門家評価・市場情報を AI が集約した推定値であり、執筆者による実飲に基づくものではありません。_
