ドメーヌ・ルフレーヴのピュリニー・モンラッシェ2018年は、成熟した果実の豊かさと、村を象徴する石灰質由来の緊張感を兼ね備えるシャルドネです。ビオディナミの哲学、複数区画が織り成す表情、楽しみたい料理を紹介します。

ドメーヌ・ルフレーヴは、コート・ド・ボーヌのピュリニー・モンラッシェ村に本拠を置く、ブルゴーニュ白ワインを代表する生産者です。一家の当地での記録は1717年まで遡りますが、現代のドメーヌの礎を築いたのは、エンジニアだったジョゼフ・ルフレーヴです。フィロキセラ禍後の1920年代、ジョゼフは荒廃していた畑を買い集め、優れた区画を再生しました。現在、グラン・クリュのシュヴァリエ・モンラッシェとバタール・モンラッシェ、プルミエ・クリュのレ・ピュセルやクラヴォワイヨンなどを擁することは、この先見性を物語ります。
とりわけ故アンヌ=クロード・ルフレーヴが1990年に当主となって以降、畑仕事への厳格な眼差しはドメーヌの個性を決定づけました。化学的な除草剤に依存せず、1990年代からビオディナミ農法を段階的に導入。土壌の生命力を引き出し、収穫量を抑えながら、土地の声を曇らせないブドウを得ることを目指してきました。評論家や愛好家からは、力強さを備えながら精妙で、長期熟成において真価を示すピュリニーの規範の一つとして評価されています。
このPuligny-Montrachetは、村名AOCのシャルドネのみで造られる白ワインです。ドメーヌが村内に所有する区画のブドウを軸にしたキュヴェであり、単一畑銘柄とは異なる広がりを持ちます。ピュリニー・モンラッシェの村名畑には、石灰岩が地表近くに現れる斜面、粘土をほどよく含む中腹、より深い土壌を持つ平坦部が共存します。その多様なTerroirが、柑橘、白い花、塩味、果実の厚みを一体にする要因です。
収穫は畑の状態を見極めながら手作業で行われ、果汁は穏やかに扱われます。発酵と熟成は主としてオーク樽で進められ、新樽はワインの輪郭を覆わない範囲に抑える方針です。一般にルフレーヴでは、樽でおよそ12カ月熟成した後、澱とともにタンクで落ち着かせてから瓶詰めする手法が採られます。樽香を目立たせることより、シャルドネの質感と石灰質の緊張感を保つための醸造です。
2018年はブルゴーニュで温暖かつ乾燥した生育期となり、健全で熟度の高いブドウが得られた年です。この銘柄でも、若いうちから果実の親しみやすさを見せつつ、ルフレーヴらしい酸とミネラルが熟成への背骨になると評価される傾向があります。市場価格は流通状態や保管履歴で変動しますが、国内では約30,000円が一つの目安です。
外観は、若々しいグリーンを帯びた淡いレモンイエローから、時間とともにやや黄金色を増す色調です。粘性は中程度からやや豊かで、2018年らしい果実の充実を静かに示します。抜栓直後の第一香には、レモンの皮、グレープフルーツ、青リンゴ、白桃、かすかな火打石のニュアンスが現れます。温度が少し上がり空気に触れると、アカシアやスイカズラ、洋ナシ、アーモンド、バターを控えめに思わせる樽由来の香りが重なります。
アタックは丸みがあり、熟した柑橘と白い果実の風味が素直に広がります。しかし中盤では酸が輪郭を引き締め、石灰を思わせる粉っぽさ、塩味、わずかな苦みが味わいに立体感を与えます。豊作年のふくよかさを持ちながら、重さだけに傾かない点が魅力です。余韻にはレモンオイル、砕いた石、ヘーゼルナッツの印象が長く残ります。10~12℃ほどで始め、グラスの中で少し温度を上げると、香りとテクスチャーの変化を楽しめます。
しなやかな酸と豊かな質感を併せ持つため、魚介、鶏、白身肉、きのこを使った料理に幅広く寄り添います。第一に薦めたいのは、平目のムニエル 焦がしバターとケッパーのソースです。バターの香ばしさをワインの樽熟成由来のニュアンスが受け止め、ケッパーの塩気がミネラル感を際立たせます。
帆立貝を軽くソテーし、ポワローねぎのクリームと柚子を添える一皿も好相性です。帆立の甘味には2018年の熟した果実味が寄り添い、柚子の香りが酸の鮮度を引き出します。鶏肉なら、地鶏のローストにモリーユ茸のクリームソースを合わせるとよいでしょう。きのこの土っぽい旨味とクリームのコクに対し、ワインは重心を保ちながら口中を整えます。さらに、オマール海老のロースト、甲殻類のジュを使ったヴァン・ブラン・ソースも、ワインの厚みを生かせる組み合わせです。
ピュリニー・モンラッシェは、コート・ドール南部、コート・ド・ボーヌに位置する小さな村です。北はムルソー、南はシャサーニュ・モンラッシェに接し、村の背後には標高およそ220~350メートルの緩やかな東向きから南東向きの斜面が広がります。ジュラ紀由来の石灰岩と、場所により異なる厚さの粘土質土壌が、シャルドネに緊張感、塩味、熟成能力を与えます。
村の名声を決定づけるのは、モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェという特級畑群です。加えてレ・ピュセル、レ・コンベット、レ・フォラティエール、クラヴォワイヨンといったPremier CruのClimatも、村の精緻な白を語るうえで欠かせません。村名AOCであるこのボトルにも、こうした名高い斜面と連なる土地の性格が息づいています。冷涼な夜が酸を守り、十分な日照が香りと果実味を育てるピュリニー・モンラッシェは、優雅さと芯の強さを両立させる産地として知られています。
本レビューは公開されている専門家評価・市場情報を AI が集約した推定値であり、執筆者による実飲に基づくものではありません。